こんにちは、あんずだいだいです。読んでくださって、ありがとうございます。
今日は、以前の職場でのお話をさせてください。
私は保育士になる前、長く販売の仕事をしていました。その会社は大きな会社で、障害者雇用をしていました。
あの職場には、障害のある人が何人かいました
耳の聞こえづらい方。体に障害のある方。いろいろな方が、一緒に働いていました。
そして、息子と同じ病気の方も、いらっしゃいました。しかも、一人ではありません。
私を含め、周りの従業員たちは、一人のメンバーとして見ていました。
ある男性と、一緒に働きました
障害者雇用で入ってきた、ある男性のお話です。この男性も、息子と同じ病気を抱えた方でした。
(先日の記事に「私の元職場に、息子と同じ病気を抱えた方がいた」と書きましたが、今日お話しするのは、その方とはまた別の方です)
たぶん一年ほどだったと思いますが、一緒に働きました。
彼は、自分の得意なことを生かして、一生懸命やっていました。
ただ、接客という仕事は、その場その場で判断して動く、臨機応変が必要な場面があります。
そこが、彼はとても苦手でした。どうしたらいいか分からなくて、戸惑っている。周りの従業員たちも、そういうところは、どうすればいいのか分からないまま、フォローに入っていました。
そうやって、月日が過ぎました。
だんだん、いつもと違ってきました
ある日突然、というわけではありません。
だんだんと、彼の様子が変わってきたんです。
売り場をわけもなく歩き回っていたり、ぶつぶつと独り言を言っていたり。目の動きや手の動きも、どこか落ち着きませんでした。
周りのみんなも、私も、「なんだか、いつもと様子が違うね」と感じるようになっていました。
私の場合は、こう思いました。息子の調子が悪くなっていく時と、よく似ている、と。
店長と人事の方と、三人で話をしました
私は職場に、息子の病気のことを話していました。隠してはいなかったんです。
人事の方とは仲が良かったので、その頃、彼のことについてこう言いました。
「私に何か助けになれることがあれば、声をかけてくださいね」
それから、気になる行動はどんどん増えていきました。
そして、話し合いの場が持たれました。店長と、人事の方と、私と。三人で。
この病気のこと。彼にどうしてあげたらいいのか。私たちにできることは、何なのか。そういうことを話し合いました。
私が伝えたのは、こういうことです。
今の状態では、お客様の前に出さない方がいいと思う。
それから、彼は一人で通勤している。でも今は、一人にしない方がいい状況だと思う。無事に職場までたどり着けるのか。帰りは、家まで送った方がいいのではないか。
もし通勤の途中で何かあれば、それは職場の責任にもなってしまう。だから、ご両親にきちんと伝えた方がいいと思う、と。
あの日、私に言えたのは、それくらいのことでした。
その後、彼は入院したと聞きました。ちゃんと治療につながったのだと思って、私はほっとしたのを覚えています。
でも、みんな「どうしたらいいか分からない」んです
このとき、はっきり感じたことがあります。
上司も、戸惑っていました。どうしてあげたらいいのか分からない、と。
でも、それは当たり前だと思うんです。
体に障害のある方なら、どこにどう手を差し伸べればいいか、分かりやすいですよね。段差があれば手を貸す、聞こえづらければ書いて伝える。目に見えるから、こちらも動ける。
でも、精神の障害はどうでしょう。
どこをどうフォローすればいいのか、分からない。しかも、それを学ぶ機会なんて、普通に働いている人にはないんです。誰も教えてくれません。
それなのに、ただ現場に出て「よろしくね」。
……それでいいのかな、と、私はずっと思っていました。
これは、あの会社だけの話ではありません。そういう社会の仕組みそのものに、私は疑問を持っていました。
周りはみんな、優しかった。でも、負担もありました
周りの人たちは、本当にいい人ばかりでした。
その人ができないことや、困っていることには、みんな優しく手を差し伸べていました。
でも、全部が全部というのは、やっぱり難しいんです。
接客の仕事でしたから、お客様に対しての場面もあります。ご本人も一生懸命やっていました。
でも、その分、周りにいる人たちの負担はあったと思います。
それは、嘘ではないと思うので、正直に書いておきます。
もちろん私も、気づいたときにはフォローしていました。それは、他の従業員となんら変わりません。
さいごに ── そこのところが、いちばん難しい
そういう人たちを、周りがみんなでフォローしていける。そんな社会だったらいいな、という希望はあります。
でも、世の中、そんなに優しい人ばかりではありませんよね。
だからこそ、そこのところが、いちばん難しいんだろうなと思います。
答えは、私にも分かりません。
ただ、あの職場で見てきたことは、今も私の中に残っています。
今日も読んでくださって、ありがとうございました。

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